Intensity : 強度 → (放射線の)強さ
Modulated : 変調 →(放射線強度)が変わること
RadioTherapy : 放射線治療
つまり、IMRTとは「コンピュータ制御によって各方向から照射する放射線の強さを、変化させながら行う放射線治療技術」のことです。
従来のIMRTは、「装置を治療位置まで移動→装置を止めて(固定して)放射線を照射」という動作を繰り返して、多方向から放射線を照射していました。しかし、VMATでは放射線を照射する度に装置を止めることなく、「装置を回転しながら放射線を照射する」ことが可能です。このVMAT技術が登場したことにより、治療時間を大幅に短縮できるようになりました。
照射されている放射線の量によって色を変えて表している分布図です。右図の場合、CT画像上で色のついた部分に放射線が当たっており、赤色に近づけば近づくほどより多くの放射線が当たっています。この画像は4方向から照射している「4門照射」の線量分布図で、画像中央に線量が集中していることがわかります。
コバルトから照射されるガンマ線を用いた脳定位照射専用の放射線治療装置で、頭蓋骨に専用ピンを刺して固定することで、精度の高い放射線治療を行うことができますが腫瘍の辺縁線量が低くなるというデメリットがある照射装置です。
当院で使用しているノバリス-Txで脳定位照射を行った場合、患者専用マスクと画像誘導放射線治療(IGRT)との組み合わせで、ガンマナイフ治療と同程度の照射位置精度を得ることができ、均一な線量分布で照射することができます。
Image : 画像 → 治療中に撮影した画像(ExacTrac, ConeBeamCTなど)
Guided : 誘導 → 移動させる
つまり、IGRTとは「治療直前または治療中に撮影した画像と、基準となる画像を照合して、検出した位置のずれを6軸ロボティックカウチで位置補正する放射線治療」のことです。
治療装置のサイドに装備された撮影装置(=On Board Imager: OBI)を使って、コーンビーム(円錐状のビーム)で撮影するCTをConeBeam CT(略:CBCT)といいます。一般的なCTは細いスリット上のビームで寝台を動かしながら必要な範囲を撮影しますが、CBCTは円錐状に広がる放射線で撮影するため、寝台を動かさずに、必要な領域を一回で撮影することが可能です。
治療計画では、治療計画用CTで撮影した画像を用いて「どのような角度から放射線を当てると最適な治療が提供できるのか」等をコンピュータで計算します。
≪治療計画が完成するまで≫
① 治療計画用CTをCTシミュレーション室で撮影します。(下図左)
② 撮影したCT画像上で、医師が臓器や病巣の輪郭を描きます。
③ 腫瘍の制御線量や正常臓器の耐容線量を考慮し、最適な照射範囲と方向を設定し線量分布計算します。
④ (放射線治療専門)診療放射線技師、医学物理士などが治療計画のパラメーターなどの最終確認を行い、治療制御装置に治療計画を登録します。(下図右)