上肢や下肢にしびれや痛みが出現する原因として、脊椎(せぼね)を構成している椎間板・椎骨・黄色靱帯などの変性肥厚(老化)により、脊髄や馬尾・神経根が圧迫されて起こるものがあります。投薬やブロック注射では効果がない場合、そのしびれや痛みの責任高位を的確に診断し脊椎内視鏡でピンポイントに手術治療を行うのが脊椎内視鏡外科です。17mmほどの皮膚切開で筋肉の間から神経除圧が行えるので、早期離床も可能となり術後1~2日目に退院することも可能です。

脊椎内視鏡外科の特徴

整形外科や脳神経外科で加療する脊椎脊髄病を治療の対象としており、保存加療で効果がない場合に脊椎内視鏡を用いた高度な低侵襲手術を行います。全身麻酔下にMETRxシステムを用いて脊椎後方(背中側)から、通常は2椎間までは1皮切(17mmほど)で手術を行います。ほとんどの場合、手術は2時間を超えませんので、手術中は尿道バルーンを使用せず下着を着けたままで行っております。麻酔覚醒後(帰室1時間後)から早期離床が可能となり、背筋に対して低侵襲でもあるため術後のリハビリ入院は行っておりません。日本整形外科学会が認定した脊椎内視鏡下手術・技術認定医(約3000例の執刀経験あり)が手術加療を担当いたします。

脊椎内視鏡外科の適応疾患

  1. 腰椎疾患
    • 腰椎椎間板ヘルニア症
    • 腰部脊柱管狭窄症
    • 腰椎椎間孔部狭窄症
    • 腰椎変性すべり症
    • 腰椎分離すべり症
    • 腰椎椎間関節嚢腫
    • 腰椎椎間板嚢腫
    • 腰椎変性側弯症
    • Failed back surgery(腰椎多数回手術後)など
  2. 頚椎疾患
    • 頚椎椎間板ヘルニア症
    • 頚椎症性神経根症
    • 頚髄症
    • 頚椎黄色靱帯石灰化症 など
  3. 胸椎疾患
    • 胸椎黄色靱帯骨化症
    • 円錐上部症候群
    • 胸髄症

こんな症状の方は脊椎内視鏡外科を受診してください

  1. 下肢の症状
    • 腰・臀部(おしり)~大腿(太もも)・下腿(ふくらはぎ)・足の指にかけてしびれや痛みが出現し、日常生活が困難となってきたもの。
    • 長く立っていたり歩いていくと、下肢がだるくなってくる・しびれがでてくる・足が前に出なくなってくるなどの症状が出現し、しゃがみこむあるいは前かがみの姿勢で少し休むとまた歩けるようになる(間欠性跛行:かんけつせいはこう)という症状を認めるもの。
    • 腰をそったり、上を向いて寝ていると、臀部から足にかけて電気が走るような痛みが出現してくるもの。あるいは、横向きでないと寝ることができない場合。
    • 長く歩いていくとつまづいてこけそうになったり、膝の力が抜けて歩けなくなってくるのだが、腰を曲げて歩くと長く歩けるもの。
  2. 上肢の症状
    • 首(頚椎)から腕や指先にかけてしびれや痛みが出現して、日常生活が一部困難となってきたもの。
    • 箸使い・ボタンはめ・書字など(巧緻運動障害:こうちうんどうしょうがい)がしづらくなってきたもの。
    • 歩いていくと膝がガクッと力が抜けたり、足先がよくつまづいてこけそうになったりしてきたもの。
    • 空を見上げたり、うがいをした時などに、首から腕や手の指あるいは背中全体に電気が走るような痛みがでてきたもの。
    • 手に持ったものを容易に落とすようになったり、腕や足に力が入りづらくなってきたもの。
    • 上を向いて横になると、上肢に痛みやしびれが出現して寝ることができないもの。
      ※腰痛や肩こりのみで、上肢や下肢にしびれや痛みがない場合には、手術適応となりま せん。
      ※長く立っていたり歩いていくと出現してくるしびれは手術後には軽快しますが、安静時(寝ていたり座っていて感じるもの)にしびれがある場合は、手術をしてもよくなるかどうかはわかりません。特に1年以上前から安静時のしびれを自覚している場合には、手術をしてもしびれは改善せずに遺残してしまいます。

脊椎内視鏡外科の外来担当表

受付時間
午前 9:00~11:30 - - 河合 河合 - -
午後 13:00~15:00 河合 - 河合 - - -
  • 青字は診療科目、赤字は再診予約の方のみとなっております。赤マスの日は休診です。
  • 全診療科で予約診療制度を導入しております。
  • 初診、再診に関わらず、あらかじめ予約センターにて診療予約が可能です(予約センター直通電話番号:06-6585-2729)。
  • 都合により、休診または代診となる場合がございます。ご了承下さい。

脊椎内視鏡外科の実績

2016年4月1日~2017年3月31日までの手術総数は240件。全例とも脊椎内視鏡手術を施行し、追加手術を5例に行ったが脊椎内視鏡手術で対応可能であった。
なお、術後に固定術が必要となった症例は2例であり、術後に症状が改善しなかった1例はdeop outとなっている。


1. 腰椎疾患 合計 198例
腰椎椎間板ヘルニア症 77例
MED後の早期再発ヘルニア症 1例
腰部脊柱管狭窄症 83例
腰椎椎間孔部狭窄症 22例
腰椎分離すべり症 6例
腰椎椎間関節嚢腫 6例
腰椎椎間板嚢腫 1例
Failed back surgery(腰椎多数回手術後)など 2例
2. 頚椎疾患 合計 42例
頚椎椎間板ヘルニア症 8例
頚椎症性神経根症 4例
頚髄症 30例
3. 胸椎疾患 合計 8例
胸椎黄色靱帯骨化症 4例
円錐上部症候群 3例
胸髄症 1例

上記内訳には、同時手術8例を含んでいます。
(頚椎・胸椎:1例、胸椎・腰椎:3例、頚椎・腰椎:4例)



脊椎内視鏡外科の医師・スタッフ

河合 将紀(かわい まさき)
河合 将紀(かわい まさき)
脊椎内視鏡外科部長
専門脊椎脊髄病/脊椎内視鏡手術
資格・所属日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会脊椎脊髄病医/脊椎脊髄外科指導医/日本整形外科学会脊椎内視鏡下手術・技術認定医/日本整形外科学会運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会/日本脊椎脊髄病学会/中部整形・災外外科学会/日本最小侵襲整形外科学会/日本低侵襲脊椎外科学会
メッセージ和歌山県立医科大学整形外科にて、1999年から脊椎内視鏡手術治療に特化して取り組んできました。この15年間で3000例におよぶ手術経験を生かして、今後は、当院においてこの治療を確立させながら、全国へと普及させていきたいと思っております。神経痛でお困りでしたら、お気軽に診察にお越しください。

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