前立腺癌へのIMRT治療について | 放射線治療センター

前立腺癌に対する定位照射(短期間照射)について

前立腺癌に対する放射線治療は手術とならんで有効な根治療法ですが、通常は8-9週間程度の治療期間を要します。
しかし最近では、従来の放射線治療との最終的な比較結果は得られていないものの、毎回の照射線量を上げ短期間で放射線治療を終了しても、副作用を増やすことなく、少なくとも従来同様の治療効果が得られることがわかってきました。
そして、前立腺癌に対する短期間照射(定位照射)は、2016年4月より保険診療として認められるようになりました。

当センターでは、従来の39回(土・日・祝日を除き約8週間の治療期間)の治療方法に加えて、12回の短期間照射(土・日・祝日を除き約2週間半の治療期間で、基本的に治療は通院で行いますが入院治療も可能です)を選択することが可能です。

このような照射は厳重な精度管理の元で行うことが必須ですが、当センターでは2011年6月の開設以来500症例程の前立腺癌に対するIMRT(強度変調放射線治療)を実施しており、その治療経験に基づいた安全面を重視した治療を提供させて頂いております。
なお、前立腺癌の進行度や合併症の有無によっては短期間照射より従来の照射方法が適している場合もありますので、最終的な放射線治療方針は診察時にご相談のうえ決定させて頂きます。

前立腺癌へのIMRT(強度変調放射線治療)について

前立腺癌に対するIMRT(強度変調放射線治療)について

2011年9月からVMAT(回転型IMRT)による治療を開始し、年間100例以上、合計約400例の治療を実施しております。


前立腺癌は放射線治療が非常に有効な疾患ですが、良い治療成績を得るためには高線量照射(通常72Gy以上)が必要であることが明らかになっています。 しかし、通常の照射法で高線量照射を行うと、前立腺周囲の直腸や膀胱などの危険臓器への線量も増加し、副作用の危険性が増加します。 従って、IMRT(強度変調放射線治療)を用いて、周囲の正常(危険)臓器への線量を少なくし、前立腺に高線量を照射することが非常に有用です。


当院では、前立腺のみへの照射に加えて、骨盤内リンパ節領域への照射や前立腺摘出術後の照射などに対してもIMRTを用いることにより、できるだけ副作用を少なく効果的な治療を目指しています。


また、IMRTの中でも最新の照射方法であるVMATと呼ばれる回転型IMRTを用いて、短時間で効率的な治療を提供しております。 これらの治療は、すべて保険診療で行っております
(詳細は治療費についての項をご参照ください)
当科へ紹介して(来院して)頂いてから、照射開始までの待機期間を可能な限り短くするように努めておりますので、詳細につきましては当科までお気軽にお問い合わせください。

当院での前立腺癌に対するIMRTの詳細

正常組織への副作用軽減と局所制御率向上のため、全症例VMAT(回転型IMRT)を用いて、短時間での照射を行っています。

当院での前立腺癌に対するIMRTの詳細

多根総合病院での放射線治療は、全症例VMAT(回転型IMRT)を採用しております。
より、安全に短時間で効率の高い照射を実現するために高精度な検査と計画、実際の照射まで安心の管理体制を整えております。
ご不明な点、ご心配のことはお気軽にスタッフにご相談下さい。

前立腺局所に対して

新しい照射法であるVMATを施行することにより、前立腺のみへの照射では毎回の照射は約75秒と短時間で終了します。照射時間が短いと、治療中の前立腺の生理的な動きにより不正確な照射がなされる危険性を軽減できます。
照射時間は短時間ですが、照射位置合わせを厳密に行いますので、治療室への入室から退室まで約15分程度です。

(図1)VMAT

進行症例に対して

骨盤内リンパ節領域に対するVMAT(回転型IMRT)を行うことで、小腸・大腸への線量を軽減しながら、リンパ節や前立腺に対して十分な線量を照射することができます。
前立腺癌の進展程度、組織検査結果(グリソン値)、PSA値など、よりリンパ節転移の危険性が高いと考えられる場合には、骨盤内のリンパ節領域への予防照射も行っております。

骨盤内のリンパ節腫大が認められる場合にも、ホルモン療法の併用を前提としたうえで、骨盤内リンパ節領域を照射範囲に含めたVMATを実施しています。
VMATにより消化管への線量を軽減し治療可能です。毎回の照射は約3分程度で終了します。


「当院で骨盤内リンパ節領域に対するVMATを受けた患者様の治療中の副作用について」 2011年から2013年までに治療を行った100人の患者様(平均年齢72歳)の治療中および治療終了直後の調査では、軽度の処置を要する中等度の副作用(Grade 2)は認められましたが、入院を要するほどの高度の副作用(Grade 3)の発生は認めませんでした。Grade 2の副作用の具体的な内容ですが、直腸炎による症状(直腸の不快感や、排便時の軽度の痛み・出血など)が12名(12%)、1日に排便回数が4-6回増加する程度の下痢が6名(6%)、膀胱炎による症状(排尿時痛や頻尿症状など)が13名(13%)に生じております(Journal of Radiation Research, 2015, 56, 141?150)。通常の放射線治療で骨盤内リンパ節領域に対する照射を行った場合と比較すると非常に軽微な副作用にとどまっています。また、これらの症状は治療終了後には軽快しております。ほとんどの患者様は、ほぼ通常通りの日常生活を送りながら放射線治療を受けて頂いております。

(図2)VMAT

手術後残存部における再発予防目的 および 術後局所再発に対して

前立腺癌全摘出術後の残存部再発予防目的の照射ならびにPSA再発に対する照射にも対応しています。

術後に再発予防目的に前立腺摘出部へ照射が必要な場合があります。また、術後にPSA上昇が認められ、その原因が前立腺摘出部からの再発と考えられる場合も、同部位への照射が有用と考えられています。当院ではこのような場合でも、前立腺摘出部を正確に治療する目的でVMATにて照射を行っております。


(図3)VMAT

高精度治療ができる理由

治療装置と融合し一体となった画像照合システムを用いて、IGRT(画像誘導放射線治療)を実施し、毎回照射前に前立腺位置を確認し正確な照射を行っています。IMRTは照射が必要な部位のみピンポイントで狙う治療です。従って、治療計画時と毎回の照射時に前立腺の位置が異なっていると、治療効果が損なわれるばかりではなく、周囲の膀胱・直腸などの危険臓器へ高線量照射がなされ、副作用が増強する危険性が出てきます。

当科では、照射時の体動の影響をおさえるために、実際の照射時には固定具を用います。また、毎回の照射前に治療装置上でCTを撮像し(CBCT:コーンビームCT)、実際に前立腺の位置を確認したうえで、正確な照射を行っています。

(図4)VMAT
(図4)VMAT

照射開始時期について

照射開始までの待機期間をできるだけ少なくしています。 当科へ紹介して頂いてから、照射開始までの待機期間を可能な限り短くするように努めています。


詳細につきましては、当科までお気軽にお問い合わせください。

放射線治療の通常照射 に加えて、
下記の高精度放射線治療もおこなっております。
脳定位放射線治療および肺・肝臓の定位放射線治療。
前立腺、頭頸部、頭部などのIMRT。
※その他、適応のある症例には、様々な部位へのIMRTも行なっております。

社会医療法人きつこう会多根総合病院

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